松戸障害年金相談室

２　額改定請求

　障害年金受給後に障害の程度が重くなり、上位等級に該当するようになった場合には、年金額の額改定請求の手続きを行って重い障害に応じた年金額に改定するように請求することができます。

　日本年金機構に上位等級に該当することが認定された場合には、請求月の翌月分の障害年金から年金額が増額改定されます。

　ただし、障害年金の受給権が発生してから１年以内の場合、等級が変更されてから１年以内の場合または額改定請求をしてから１年以内の場合には、額改定請求をすることは原則としてできません。

　なお、省令に定められた障害の程度が増進したことが明らかである一定の場合には例外として１年を待たずして額改定請求をすることができますので、注意が必要です。

　障害年金を受給権が発生した日、または障害の程度の診査を受けた日（等級が変更された日または額改定請求を行った日）から１年を経過せずに額改定請求をする場合については、「障害給付　額改定請求書」に「記入上の注意事項」を添付して、年金事務所などに提出をしなければなりません。

３　専門家へのご相談

　額改定請求は、一度請求してから１年以内には原則としてできなくなるため、徐々に症状が悪化している状態の場合には、いつ請求するかが重要になります。

　額改定請求を行う際には、請求のタイミングの判断が非常に難しいですので、年金受給後に障害の程度が変わったと感じられた方は、すぐに自分で額改定請求を行うのではなく、弁護士や社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

２　障害認定日が５年以上前の場合

　障害年金を受給する状況にあるか、傷病の状態を判断する基準となる日を「障害認定日」といいます。

　障害年金は、この障害認定日のある月の翌月分から受給できるものとなっています。

　そして、障害年金は過去に遡っての請求（遡及請求）が認められています。

　必ずしも申請を急ぐ必要がないのは、このように遡っての請求が認められているためです。

　障害認定日から３年後であっても、障害認定日頃の症状が分かる診断書等を取得し、障害の状態を示すことができる場合には、障害認定日のある月の翌月分から現在まで受給できたであろう障害年金をまとめて受け取ることができます。

　ただし、遡及ができるのは５年分までで、それ以上になると時効が成立してしまいます。

　例えば、７年前に障害認定日があるとすると、今から申請をしても最大で５年前の分までしか認められないということになり、それより前の２年分は時効なので受け取れないわけですので、もっと早く手続きをしていれば受け取れたはずの２年分を受け取れなくなってしまう、ということになります。

　そのため、障害認定日から５年以上経過している場合、急いだ方がよいということになってきます。

３　事後重症請求の場合

　障害認定日時点では傷病の状態が障害年金を受給するほどには重くなかった、あるいは当時の記録がもう残っていないといった場合には、現時点での症状に基づき障害年金を申請することになります。

　これを「事後重症請求」といいます。

　事後重症請求は、申請した月の翌月分からの受給となります。

　つまり、「半年前の時点では障害年金をもらえる状態だった」という状況でも、半年分遡って受給が認められるわけではありません。

　事後重症請求の場合、申請する月がひと月でも変われば受け取れる金額が変わってしまいますので、障害年金を受給できる状況であるならば、ひと月でも早く申請ができた方がよいといえます。

４　老齢年金の受給が迫っている場合

　障害年金も原則６５歳から受給開始となる老齢年金と同じく、年金制度の１つに位置付けられています。

　そして、年金受給については、「一人一年金の原則」というルールがあり、年金は基本的にどちらか一方のみの受給となります。

　そうなると、６５歳以降は老齢年金を受給しているため、障害年金の申請自体ができないことになりかねません。

　過去分の遡及請求等の一部例外はありますが、事後重症請求が原則できなくなる等の問題が生じることがありますので、もうすぐ６５歳になりそうな場合で、障害年金を申請したい場合には、急ぎ申請を進めた方がよいことになります。

５　松戸で障害年金の申請を検討中なら私たちへご相談ください

　障害年金の申請を急ぐ場合には、申請準備も急いで行っていきたいところです。

　しかし、初めて申請を行う場合には、そもそもどのように申請準備をすればよいのか分からずに、調べたり書類を揃えたりするのに時間がかかってしまうことが多くあります。

　また、障害年金の審査には３か月程度かかることが多く、一度落ちてしまうと、３か月以上の時間をロスしてしまうことになります。

　急いで障害年金の申請をした結果、書類に不備・不足があって不支給となってしまっては本末転倒ですので、急いでいる時には特に適切に申請ができるよう、障害年金の申請に詳しい専門家に依頼することをおすすめします。

　私たちも、障害年金の申請サポートを承っております。

　適切な等級で障害年金を受け取ることができるよう、丁寧かつスピーディーに準備を進めていきますので、松戸で障害年金の申請をご検討されている方は、私たちまでご相談ください。

２　精神疾患の認定基準

　精神疾患が障害認定されるためには、具体的に、以下の基準に該当する必要があります。

【認定基準】

　・１級：日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの

　・２級：日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

　・３級：労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの、（症状性を含む器質性精神障害が症状固定前の場合に限り、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの）

　参考リンク：日本年金機構・国民年金・厚生年金保険　障害認定基準

　※「第8節　精神の障害」の箇所

　ただし、これらの基準に該当する精神疾患があったとしても、診断書などの証拠で証明できなければ、障害年金を受け取ることはできません。

　そのため、精神疾患で障害年金を受け取るためには、申請に向けた綿密な準備が必要となります。

　精神疾患の症状は非常に多岐にわたるため、障害年金の認定においては、具体的に日常生活で生じている困難や、労働にどの程度支障が出ているかが重要なポイントとなりますので、その点に注意しながら申請準備を行うことが大切です。

３　精神疾患の障害年金は弁護士や社労士にご相談ください

　精神疾患については、客観的な検査数値が存在しないため、認定基準を満たすような症状であったとしても、診断書の内容が適切でないと障害年金が不支給となる可能性があります。

　ご自身の病状に合った正確な書類を作成できているかどうか、しっかりと確認した上で障害年金の申請を行うことが大切です。

　もっとも、精神疾患を抱えながら、慣れない手続きに対応するのは非常に大変な作業です。

　そのような場合は、弁護士や社労士に依頼することを検討してみてください。

　私たちもそのようなご依頼を承っております。

　障害年金に関するご相談は原則として無料で対応しておりますので、松戸で精神疾患の障害年金でお困りの方は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。